麻酔科-くろねこBlog

麻酔科医と子育てとか日々の学び

初期研修医がとるべき資格ー5選(①BLS ②ACLS ③PALS ④ICLS ⑤JATEC)

 

 初期研修がはじまりある程度病棟の管理ができるようになっても、目の前の急変した患者さんにどう対応したら良いか苦労したことをよく覚えています。

 

Q.目の前で患者さんが息していない、脈も触れないどうしたら?

Q.心筋梗塞の患者さんが目の前で苦しんでいる、どうしたら?

Q.多発外傷の患者さんが目の前に、口から血を吐いている、瞳孔が開いている、骨盤がゆるんでいる、だんだん血圧も下がってきた、どこから手を出したら良いのだろう?

 

 何科に行くにしても、目の前の患者を助けるという医者の仕事は変わりませんし、できないといけないと思います。幸いにも資格という形で実践を積む機会は用意されているので紹介します。

 

①BLS:Basic Life Support

主催:AHA(American heart association)

必要資格:なし、一般の方でも受講できます

有効期限:2年(ACLSを有効期限以内に受講すると有効期限が延長されます)

内容:

講義・テスト含めて1日の講座で医療従事者に関係なく一般人も受けられます。

街中・病院において心肺停止の患者を目の前にした際の救急隊到着・医者到着までの対応を学びます。胸骨圧迫、人工呼吸、AEDの使い方などが中心です。

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②ACLS:Advanced Cardiovascular Life Support

主催:AHA

必要資格:BLS

有効期限;2年間

(ACLS-EPを有効期限以内に受講すると有効期限が延長されます)

内容:講義テスト含めて2日の講座で病棟での急変時の対応なので医療従事者向けです(コメディカル含む)。薬剤治療や電気的除細動、ペーシングなどを学びます。

循環器内科や麻酔科の専門医の申請の際にこの資格が必要になります。

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③PALS:Pediatric Advanced  Life Support

主催:AHA

必要資格:BLS

有効期限;2年間

内容:小児の救急の対応です。薬の量や蘇生の仕方など大人と違った面が小児では多く、専用の勉強をしておく必要があります。小児科・産婦人科志望の医師は取っておいったほうが良いと思います。

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④ICLS:Immediate Cardiac Life Support

主催:日本救急医学会

必要資格:医療従事者のためのトレーニン

有効期限;なし

内容:2日間の実践メインの講習会です。特に「突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」を習得することを目標としています。

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⑤JATEC:Japan Advanced Trauma Evaluation and Care

主催:日本外傷学会

必要資格:医師免許

有効期限;なし

内容:2日間の集中講義で実技メイン。交通事故などで多発外傷で運ばれてきた患者の初期対応で防ぎ得た外傷死(Preventable Trauma Death)に対する対応の仕方を学びます。外科の専門医時の点数にもなるので外科系志望の医師は資格を取っておくことをおすすめします。

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 初期研修医中に取るべき資格、5選を紹介しました。時間に余裕のある時や、将来進む可の専門医認定時に必要になる資格もあるので取得しましょう。