麻酔科-くろねこBlog

麻酔科医と子育てとか日々の学び

Q:FFPを輸血するとどのぐらいフィブリノーゲンは上がるのか?🆎

外傷、人工心肺、産科の大出血など止血のために重要と言われているFibrinogen。

150-200mg/dl以上に保つのが止血に重要とは言われているものの、FFPだけを輸血しても希釈性の凝固が起こったり、実際に止血が止まるかと言われるとまた首をかしげる意見の分かれるFFP

最近はクリオ製剤やFbg製剤、TEG®️やROTEM®︎のおかげで目の前の患者の凝固の状態を評価できるようになってきたおかげでまた新しい可能性が見えてきた。

 

そういうことは置いておいて

 

Q:FFPを輸血するとどのぐらいフィブリノーゲンは上がるのか?🆎

あくまで理論だけで実際は違うのかな?

 

FFP (Fibrinogen 250 mg/120ml/U):Fibrinogenの生体回収率を50%とする

 250mg÷(BW×10)dl÷4×100

=625÷BW  

50kgだと625÷50=12.5mg/dl↑

※生体内回収率は0.5なので50kg

625÷ BW×0.5=+6mg/dl

→5単位FFPを輸血するとFibrinogenは+30mg/dl上昇する。

 

さて救急外来に

70歳 男 JCS2-3桁 BP120/80 HR100 Sp95% BT32.0

受傷時間不明、2mの段差の下に倒れているのを発見。頭に挫創あり、落ちたものと思われる、発見時には極度の低体温。左半身麻痺認める。救急搬送になる。

 

外傷の JATEC的には

PS

A気道:開通→◯

B呼吸:明らかな気胸・血胸なし、肋骨骨折なし、Sp保たれる→◯ 

C循環:脈拍の弱なし、血圧OK、末梢の循環不全明らかなものなし

    FAST心囊液・胸水

 D神経:右麻痺、瞳孔散大+、E3V1M5→挿管

 E体温:BT 32→加温

SS:

頭部CTにて左外傷性SAH

胸部CT:心囊液、左血胸疑い

 

採血の結果

DDimer 100以上 Fibrinogen 20以下 PT-INR4.0 APTT100

 

 

外傷性DIC状態。患者を救える状態にするためにはとりあえず現状の出血を止めるしかない。止めるためにできるのは VitK、血小板輸血、クリオ製剤、 FFP・・・・。

Fibrinogen200を維持するためにはFFP何単位輸血するんでしょう?

200÷6=33単位 1単位120mlとすると120×33=4000ml

 

そんなにFFP入れたらヘモグロビンは薄まり続けるよなぁ。

 人気ホテルが最大50%OFF
250社の予約サイトから料金を一括比較
お得な宿泊プランをご案内
www.trivago.jp

 安定性が高い!高品質&高性能レンタルサーバー「Zenlogic ホスティング on IDCF Cloud」