麻酔科-くろねこBlog

麻酔科医と子育てとか日々の学び

ロクロニウムアナフィラキシー A&A practice 2019; 13:17–9

麻酔中のアナフィラキシーの中で頻度の高いものに

①筋弛緩薬②抗菌薬③ラテックス④スガマデクス 最近では⑤クロルヘキシジンなどが増えている。致死的になるため知識が必要と。

 

今回は

Efficacy of Sugammadex in Preventing Skin Test Reaction in a Patient With Confirmed Rocuronium Anaphylaxis: A Case Report

ロクロニウムアナフィラキシーをスガマデクスで防ぐことはできるのか?

 

結果、

バイタル自体はアドレナリンを使用してしまっているので評価は難しいがブリディオン使用すると良くなっている可能性があると。

問題は本当にスガマデクスがロクロニウムの抗原性を封印しているかと言うこと。

FACSの試験でCD61の発現、皮内テストでロクロニウムを調べたところ、

①ロクロニウム単独ではCD61陽性、皮内テスト陽性だった

② ①にスガマデクスを加えたところ変化はなかった

③ロクロニウムとスガマデクスを等しい分子量で混ぜて調べるとCD61陰性、皮内テスト陰性となった

 

結論、ロクロニウムの抗原性はスガマデクスで抑えられそう。

しかし臨床で使用する際はロクロニウムとスガマデクス混ぜて使用することはないのではじまったアナフィラキシーはとめられないのでアナフィラキシーの治療をすることは必要。スガマデクスを使用するのはアナフィラキシーを進行させないためには有効ではないかと。

 

 

もし仮にひどくなるのを止められるならば使った方がよいのではないかと思います。