麻酔科-くろねこBlog

麻酔科医と子育てとか日々の学び

カルディオプレジア(へんすれーより抜粋)


●心内膜下組織への血流量が大事:

大動脈拡張期圧 ー 左室拡張周期圧LVEDP の壁内外圧格差できまる

※灌流圧の低下やLVEDPが上昇するような(AS AVf 心室の拡張など)で酸素運搬が不十分になる
右室のRVEDPは体血圧よりはるかに小さいため問題にはならない


●心筋酸素消費量
正常な心室心筋は8ml/100g心筋/min
空打ちしている心臓 5.6ml/100g/min
カリウムによる心停止 1.1ml/100g心筋/min


冷やすよりも化学的心停止させることが大事


●気絶心筋と冬眠心筋
スタン:虚血再灌流障害の軽症な病態。正常灌流下で収縮拡張機能障害を生じている生存心筋。
そのうち治ってくる。原因としてはカルシウム代謝の変化や、細胞浮腫など
冬眠;慢性的低灌流にさらされた生存心筋で収縮要素にダウンレギュレーションしたもの。血行再建によって正常な憩室に戻り機能が改善してくる。


●Vfで心停止をするとき
常温Vfは酸素需要がそこまでさがらない。
低体温でVfは有る程度酸素需要をさげることができるが、LVHやARの有る症例ではLVEDPが上昇してきて心内膜血流が低下する可能性があるのでさける方が良い。

心室拡張の防止
壁張力w下げるのが酸素消費の低下に重要である
どのぐらい?

ベントはカルディオリザーバーhe100-300ml/minの速度で積極的に引いていく。

●拡張期心停止の理論:
電位依存性のナトリウムチャネルが開いてナトリウムが細胞内に流入し膜が脱分極する。
細胞内カルシウム濃度が上昇し、収縮。カルシウムが細胞内貯蔵部位に隔離され弛緩する。

K8-10mEq/LのPlegiaが入ると脱分極が起こりナトリウムの流入が起こる。しかしカリウムのうどが高いままなので脱分極したままナトリウムチャネルは閉鎖して収縮しなくなる。

●心筋温度
心臓は10℃下がるごとに酸素消費は50%低下する(Q10効果)
心筋温度 25℃ぐらいまでは効果的であるがそれ以下はあまり変わらないかも。

低温のカルディオプレジア;4-10℃を投与すると心筋を15-16℃に冷やせる。


Ante 70-100mmHg
Retro 40mmHg以下

KCLのおかげで拡張期心停止がなされる


TWBC終末加温血液カルディオプレジア
=Hot shotのこと
カリウム濃度の高い加温カルディオプレジアを最後に入れるもの


再灌流の制御
アオルタデクランプ後は1.2分はポンプ量を下げて灌流圧40程度にとどめる。
続いてポンプ流量を増やし70mmHg程度に上げる、この辺りからフェニレフリンを使っていく